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「ビッグ・サマー・シーン′79/大空」開催 (札幌市真駒屋外競技場) 07.28

1部
大空と大地の中で
浜辺
時のいたずら
あたい
君はそばに
足寄より
  2部
父さん
オホーツクの海
僕の好きな風景
卒業
君のために作った歌
海を見つめて
  3部
銀の雨
君が好きさ
青春Ⅱ
夜明け
空を飛ぶ鳥のように 野を駈ける風のように
生きがい
  アンコール
季節の中で
旅立ち
大空と大地の中で

ギターブック増刊号より参考
コンサートレポート

7月28日 13:00
 当日リハーサルが始まった。開演まで、あと5時間。千春が歌い、マイク、モニター、PAのチェックが繰り返される。会場が大きいだけに反響音もかなりの大きさでかえってくる。本番でトラブルがあってはならない。

 ステージ作りが開始されたのは27日の朝8時から。もちろん徹夜作業である。もうすでに29時間もかけているがまだできあがっていない。アルバイトも含めて300人以上のスタッフが動き回っている。

 千春のギターと歌のチェックが数曲繰り返される。広い会場の外でも、その音はガンガン聞こえてくる。そんな中、ステージ裏に中島みゆき嬢が激励にくる。

 15:00 チェック完了。後は開場を待つばかりだ。もう会場である真駒内屋外競技場の外側にはファンの長蛇の列ができている。千春とバック・ミュージシャンたちは控え室に戻っていった。開演まであと3時間。

 ’79年7月28日 18:00
 コンサート開演直前、雨が落ちてきた。もしかしたら中止?と一瞬不安になる。が、2万人を超すファンの熱気におされたか20分ほどで雨雲は去り、逆に、雨上がりの清々しい夕暮れの中で、コンサートが始まった。

 ファンの手拍子の中に、千春登場。ブルーのズボンにアロハシャツ、運動靴にミラーグラスという、おなじみのスタイル。7人のバック・メンバーを後ろに、第1部が始まる。

18:20 「大空と大地の中で」
 ありがとう、いらっしゃい、元気?しかし、よく着たな。こんなにたくさん来てくれてほんとにありがとう。ここまでね、みんなのおかげでもってこれたし、もうここまできたら、雨が降ろうと槍が降ろうとやるよ。うしろの方もちゃんと聞こえているか?とりあえず、今日はみんなもここまで来てくれたんだし、あとは俺の責任で最後まで力一杯歌うから、よろしく。(拍手)ここまでくるのにスタッフのみんなもがんばってくれて二日間ぐらい徹夜で、このステージを作ってくれたし、よくやってくれたんだ。(拍手)北海道でも札幌以外から来てくれた人、市内からがんばってきてくれた人(笑い)、全国からがんばって北海道までたどり着いた人たち、本当にどうもありがとう。これから力一杯歌うからね。たぶんいい歌が歌えると思う。意外に、軟弱だったりして・・・ね。 それと、わざわざ取材に来てくれた人たち、本当にどうもありがとうございます。1曲終わった時点で感想を述べます。たぶん緊張しているんじゃないかな、と思っているかもしれないけど、本人意外に冷静です。(笑い)これは緊張というより興奮です。早くも興奮「あしたのジョー」いつでも興奮「松山千春」(爆笑) だってね、こんなにたくさんのみんなが応援してくれてるし、今日来られなくても、ひょっとしたら家の中で、俺のレコードかけて張り切って聞いてる人もいるかもしれないし。そんな人たちに見守られて、緊張なんかしてられないし、最後までよろしく。(拍手)

18:27 浜辺
 機材が雨に濡れてショートしたのか、2番の歌詞の途中で電源切れ。なにも聞こえない。 
 ステージでとまどう千春。しかし、手拍子は止まず、次第に激励の拍手に変わってゆく。

 ごめんな、ごめんな。それじゃあさ、もう1回いってみる。歌う、よろしく。

 約2分後再度 浜辺
いろいろさ、アクシデントっていうのもあると思うんだ。意外に英語使ったけどね。いや、わたしゃ、うるさいよ。(笑い)後ろの方、バカにしてるけどね。わたしゃ英語は相当うるさいよ。向こうの生活が長かったから。(「ホントー?」の声があがる)いや足寄の生活よ。(爆笑) 
しかしほんとに雨なんか始まる前にちらっと降ったりしてね。意外にね、みんなも心配だったと思う。雨、ばしゃばしゃくるしな、いや私も気が気じゃなかったよ。みんなにね、風邪でもひかしたらどうしよう、困ったもんだ。ひょっとしたら私がみんなの看病に行かなきゃならないんじゃないかってね。そう思いましたよ。でも、もう始まっちゃったからね、風邪なんかひいてもだめだぞ。(笑い)意外に無責任だったりするんだけど。
 しかし、今日はね、いろんな歌を歌っていこうと思うんだ。みんなのんびり聞いてって下さい。こうやってみるとさ、カラフルだなや。ねえ。あちこちで半てんなんかも着てたりして。(半てんのファン、歓声をあげる)昔、私着てました。古いですよ、もう。(笑い)いや、また来年になったら着るけどな。
ちょうどね、この会場は冬季オリンピック、私も目指してました。(笑い)わお、バカにしてるな、このやろ、確かにね冬季オリンピックにはパン食い競争はなかったです。(笑い)わたしゃ、足寄予選で落ちましたけどね。意外に食い意地のはったのが多いんですよ、足寄は。
 足寄といえばね、足寄の人口は13,000人だべ、今日ここに2万人以上入ってんだな。それ考えると俺、非常に寂しくなってくるんだよ。一抹の不安が胸をよぎったりなんかしてな。早速足寄に帰って、親父に「もっと子供作れ」なんか言ったりして。(わあーやーねー」の声)やあ、もう無理じゃないかと思うけど、いろいろ考えたりなんかするわけですが寂しいもんですねえ。
 みんなのちょうど裏側になるけど、一番上の人ね、あそこが聖火台ですよ。そうだよな、意外に嘘ばっか言ったりして。オリンピックあった時ね、北海道中を聖火が回るんだよ。来ましたね足寄にも。あの時は私も、初々しい中学生でした。ほんと、初々しかったよ。頭も坊主だったしな。(笑い)ところどころジャリッパゲがあったりなんかして。いやいや寂しい問題だ。今は、その数が増えたかなと思いますけど。
 で、道内を聖火が一周してな、あそこに点すわけだよ。そうすると、足寄町の人も来るわけ。私も走りました一応。聖火をもった人の横で、ね、一緒に走る人の後ろにいたんだ。(笑い)だいぶ無視されていましたけどね。聖火持ってる人はさ、沿道なんかから「わー、がんばってえー」なんか言われちゃって、そうすると私なんか走ってて、「俺がうけているのかな」なんて思うんだ。意外に私じゃなかったりして、先頭で赤々と持ってるやつだけな。私なんか寂しいもんですよ。持つ物がないんだから。どうせならローソクぐらい持たしてくれっていうんだよ。そんな感じで、ここも北海道の一つの思い出の場所です。これからここでなにができるかね、本当に楽しみだなあと思います。

18:37 「時のいたずら」
 ありがとう。意外に私もでる前まではな、みんなこれだけいるし、ひょっとしたら、あちこちから声がかかるかもしんない。だけど、いちいち応えていたんじゃ、進行の妨げになるかもしれない、そう思ってたんだ。ところがいざ上がってみるとな、呼ばれるたびにうれしさがこみ上げてくるんだ。呼ばれた順番にな、あっちにも媚をうらなきゃ、なんていろんな風に思ったりしてな。(笑い)困ったもんです。ねえ。頭の中ではねえ、そうゆう事やっちゃいけないと思っても、体が許してくれないんです。どんな体かわかんなかったりしてね。しかし、ほんとさっきはあせっちゃったけど、あの辺に青空も見えてることだし、あれももうじきこっちに来るんじゃないか、なんて。私たちの力で、あれを何とかこっちへ引き寄せたい。とかね。いろんなふうに考えたりなんかしてね。でもあの青空のあとの雲が心配だな、なんて、(笑い)いろんなとこまで考え込んだりするんだけどさ。しかし、みんな、いろいろ今日のこと楽しみにしてくれたね。ほんとにありがとう。
 いや、私も楽しみでしたよ。果たしてどういう出方がいいだろう、とみんなで考えたんだ。そしたらな、一番最初に出た案が、聖火台からここまで、道を作ろう、その上の方からだぞ、「いよいよこれから松山千春ビッグサマーシーン’79始めます」。そして、バンドの人たちが、わーって、やってくれてそしたら俺があの聖火台から、牛を連れて出てくる。(爆笑)ねえ、麦わら帽子かぶってさ、ここに上がってきて一言。「みんな、もっと牛乳飲もう」。(爆笑)なんて、いろんな案が出たけどねえ、ま、無事に始まったし、みんなたくさん来てくれたし、後ろの人たちもねえ、私、目がよいですから、少しは見えますよ。顔がはっきりと。今日はきれいな方が多い。(会場静まる)いやいやほんと。パッと見ただけでね、ワア、今日はきれいだな。いや顔があるっていうのはわかるんだぞ。ただ目がどうなってんのかな、っていうのはわかんないけど、ワッ、きれいな人多いなあ、希望的観測かもしんないけどな。それじゃ、ま、男もたくさん来てるだろうから、次の曲は、君たちみたいなきれいな女の子に、このコンサートのためにとっといた、そんな感じの曲です。

18:44 「あたい」
 「君たち女の子のために」という千春のコメントに続いて歌い出したのが?ブス?をテーマにした「あたい」なので、会場から、「うわー」というどよめきが・・・数少ない男のファンの手拍子が聞こえる。
 
 いや、ほんとにねえ、私も今までこの歌、何回となくいろんなとこで歌ってきたけど、なんか歌っててね、今日が一番ピッタシきた。(男ファン拍手)意外に寂しかったりしてね。おまえらな、自分でブスって言った時にな、ズッキーンと胸が痛まないか。意外に涙流したりして。言いたくはないけど、あそこまで言われたんだから、言わなきゃ悪いだろうってんで、「ブス」あっ、言っちゃった。
 しかし、ほんとに俺は野外であんまりコンサートやった事なくって、かれこれ、もう2年前になるかな、足寄町で1度やった事がありますし、(拍手)この間、所沢球場という所でやって、(拍手)そのぐらいだったんですけど、やっぱし、北海道でやる野外が、私には一番似合ってるんじゃないかと・・・(会場全体に拍手が湧き起こる)ありがと、ありがと、なんかこう、気候とかまわりの景色とかも自分にピッタリしてると思うし、また、その中に俺がいる。なんか、こう広いステージの上に、イモが1個ころんでる、(笑い)なんか、ピッタリしてますねえ。次の曲も私にとっては、懐かしい曲で足寄のコンサートの時にも初めに歌った曲です。

18:50 「君はそばに」
 間奏の部分で、ステージに用意してあった麦茶をおいしそうに飲む千春。

 皆様。麦茶のおいしい季節になりました。(笑い)麦茶はいいんだけどね、氷なんかが口の中に入ってきたりなんかしてね。この頃、歯が悪くなってきてねえ、いや、まだ入れ歯まではいかないと思うんだけど、(笑い)いや,バッキャローおまえねー、これでおまえ、入れ歯になったら笑いもんだぞ。腹は出てくる、毛は抜けてくる、(笑い)入れ歯にはなる、なんていったら最悪じゃないかと思うんだけどね。
 この間無事、ヒゲも剃り落としまして、意外にこの日、晴れる事を祈って、ヒゲはやしていたんだけど、前の日に剃るとな、荒れるんだってよ、特に私の場合、肌がナイーブだから。(笑い、「エー」と声がかかる。)どういう意味だ、それ。いや、ほんとに。どだい体が、きゃしゃにできてるべ。顔は頑丈だぞ。だからね、2日前に剃ったりなんかした。一緒にうちの大マネージャー、外崎くんでありますけどね、(拍手おこる)「ソッチ、(外崎氏の愛称)おまえもパラパラうけてるぞ」。(拍手だんだん大きくなる。)バカな事するな、おまえたち、メインは俺だぞ。だから今日、もし雨が降ったら、ソッチがヒゲを剃らなかったから、と解釈してあいつの、今度は体毛を全部剃ってやろう。(笑い)もし雨が降ったら、アイツをツルンツルンにしてあげよう。なんて思ったりして。
 このぐらいだと、アイツもうかばれるんじゃないかな。確かにアイツも目立ちたがりやです。しかし、今日のバックも負けてません。相当多いです、目立ちたがりやが。ねえ、楽屋で一応俺も出番だから、ぐっとこらえて、いやトイレ行きたかったんじゃないぞ。今日晴れるかな、って隅っこの方にうずくまってた。バックのメンバー、なにやってたと思う。「おい、俺リボン付けていこうかな。」だと、(笑い)なんか、忘れてるんだよな。メインがこの俺だってことを。ねえ、ベースの人なんかな、「すいません、コードが長くないと前へ出て踊れないんだよ」とかさ、(笑い)いろいろ言ったりなんかしてね。しまいには、みんな出てきてさ、「さあ、始まるぞ」なんて。俺なんか隅っこの方で待ってて、「俺はまだでなくていいのかな」なんて思ってても、誰も呼びに来ないんだよね。(笑い)そのうち、そこのマイクでさ、「まもなく始まります」いったい俺はなにやってればいいんだろう。(笑い)何とかしてみんなにうけよう、うけようってね、見え見えな態度とるかもしれませんが、みんなも、アッ、うけてあげよう、っていう軽い気持ちで応えてあげて下さい。なんて思ったりするんだけど。
 次の曲は、俺にとってなにがなくてもこれじゃないかと思いますので、この曲よろしく。
 
18:58 「足寄より」

 短い休憩のあと、第2部がスタート。ステージの上は千春一人だけ。銀色に光るアダマス・ギター(オベーション)を抱えての本当のワンマン・ステージ。2部の最初は、この会場のどこかで千春を見守っているはずの人を歌った歌から・・・

 19:07 「父さん」
 
 19:13 「オホーツクの海」
 俺がこの北海道に生まれて、今年で誕生日を迎えれば24歳になるわけ。念のために誕生日言っときますと、12月16日。まあ、いや、気を使うことないんだぞ。プレゼントがどうの、っていう意味じゃないんだぞ。一応12月16日という事になってて、今年も楽しみだなあ、なんて思ったりして。
 二十何年間、この北海道にはびこっていますと、ここから住みかを変える気なんかなくなったりして・・・  俺の住みかは北海道じゃないかなって・・・(拍手)みんなにも住みかを持ってもらいたいと思うんだよね。やっぱり、札幌の人は「ここが俺の住みかだ。」東京の人は「東京、ここが俺の住みかだ。」って思ってもらいたいね。いろいろバカなやつが、「東京にはふるさとがない」云々って言うけど、どんな都会だって生まれて育った所がふるさとだと思うんだよね。その人が一番住みやすくて、離れがたいように、俺も足寄という、ちんけな町だけどな、俺にとっては最高の町なんだ。ただ悔しいのは海がなかったこと。生まれてこの方、海のそばで育ったことがなかったんだ。悔しいぞ。
 私はねえ、つまりですねえ、みんなが言いますよ、「トースト・ボーイ」なんてね。(笑い)ホントに、「サンシャイン・ボーイ」とかね。ガキの頃、海に行った。オホーツクの方だけど。馬がいて、いっちょまえにチョロチョロしてた。うちの方だと牛なんだよね。牛、ごろごろいますよ、いっちょまえに受精士やってるバカもいます。いっちょまえに。(笑い)友達の中に鈴木幸弘君って言うんですがね、彼もがんばってますし、若き酪農青年、佐藤耕一君というのもいますしね。あと農家を継ぐんじゃないかという、阿部寿美雄君というのもいます。私、お友達に農業やってんの多いんですよ。意外にねえ。
だからね、牛だとか馬だとか、見てるの好きなんだ。そばに近づくのはだめだけど。いや、食べられそうな気がして・・・(笑い)ふだん俺が食ってるべ、なあ、牛肉だとか、馬はあんまり食わんけどな、いや私は高度な暮らしですよ。すごいですよ。意外に牛肉に見せかけた、かしわ(鶏肉のこと)なんか食ってたりして。寂しかったりして、ほんとにねえ、そんな感じで牛や馬はちょっと弱いんですけど、なんか、こう、自然の中に牛や馬なんかいると安心感があったりしますが、牛や馬と話せたらいいと思ったりしますが、まさか話せるといってもね、「おい、牛、牛」なんて話しかけたら、「おお、千春か、」ぐらい言ってな、(笑い)「千春、もっと牛乳飲もう」なんて、信じられなかったりしてな。(爆笑)そんじゃ、そんな俺が、がきんちょの頃、海へ行った思い出を歌った曲です。

 19:22 「僕の好きな風景」
 ようやくあたりが暗くなってきた。ステージの千春がスポットに浮かび上がる。みんなも本格的にのってきた。手拍子だ。

 どうもありがとう・・・ね。しかしねえ、ずっと向こうの方から声を張り上げてくれて、非常に強く胸を打たれたりして。ちょうど今、学生のみんなは夏休みの最中だな。今年の夏は、やりたいことを、ぜひやってもらいたい。若いうちだけだからな、あちこち行けるなんて。意外に女の子なんか結婚するとだめだな、特に、早く子供を作りたがる人、(笑い)もうだめですね、がきんちょができると。うちの姉貴もねえ、光里(千春の甥)が生まれてからはだめですねえ。遠く旅しようとかそういう気にはなってない、アイツの場合、「光里を連れて一杯飲みに行こう」とかね、そういう感じになってきてる。おかげで、光里が酒の味を覚えましてね、(笑い)もうあとは博打と女だななんて、今から用意してたりなんかして。私もいつも麻雀パイを握らせますが、なかなか覚えませんね。あいつもやっと、二つになりまして、意外にかわいいですよ。この間、思いっきりひっぱたきましたけどね。(笑い)ばっかやろ、人のヒゲ見て「ゴミ」だとよ。(爆笑、拍手)私だって怒りたくなるぞ。おまえ、せっかく人がなんと言おうと、朝、鏡を見るのが楽しみで、「どのくらい伸びたかな」、なんて言ったりしてね。髪の毛に自信なくしてきているから、せめてヒゲにでも余力を残そうと思っているのに、それをおまえ、俺のここをさわって、「ゴミ」だとよ。ばっきゃろ。ほかの言葉あんまり知らないんだぞ。それを何で「ゴミ」だけ覚えちゃったんだろう。「そういうこと言っちゃいけないよ、光里、ほんとに社会って言うのは、厳しいんだよ。って言ってさ、厳しさを教えようと思いっきりひっぱたいてやった。(笑い)そしたら、笑うんだよな。人が怒ってひっぱたいているのに、ほんと血筋は争えないなあと思ってね。私もがきの頃そうだったらしい、(笑い)私の場合、ムチが好きだったらしい。(爆笑)どんな子供だ。信じられなかったりして。チューニングなんかしてみたりして。かっこいいねえ。(会場から「あってるぞ」の声がかかる)

 19:29 「卒業」
 どうもありがとう・・・ これは、「卒業」。これでひょんな人と出会いましてね。倉本聡さんという人なんですけども、いきなりテレビでやらないか、って言われましてね。最初会ったとき、倉本さんていう人おっかなくてね。顔が恐ろしいなんてもんじゃなくて、それをはるかに超えてたんだよね。ひょっとして、この人に近づいたら香港あたりに、売り飛ばされるんじゃないか、(笑い)と、いろいろ考えたりしたんですが、会ってみると、とてもいい人で、「一年」というドラマだったんですけど、何曲か俺の曲を使ってもらいました。
 今日は倉本さんもこのどこかで聞いてくれてます。ほんとに、歌い始めてからいっちょまえに、レコード出したべ。「旅立ち」っていうのだったんだけど、今はもう懐メロに・・・(拍手)いや、いい、情けはいらない。それを出してから二年半ぐらいたった訳ですが、その中でいろんな人に会って、いろんな事があって、全国各地をコンサートで回れるようになったのは、ついこの間みたいな気がしているんだけど、それまでは北海道ではね、みなさんのご協力を得て大きなホールでできたりしたけど、全国となると意外に小ホール。私ただ「小ホール」とすんないわれるのが非常にいやで、その上に「夢の」とか「花の」なんて付けてね、少しでもくじけないようにしよう、なんて思ってね。
 東京やって、九州、あっ九州からも来てたりして(と会場を見渡すと、九州から来たファンが拍手)九州で盛り上がって、それから東京でも盛り上がって、(東京勢拍手)それと並行して、大阪あたりで、ここまで言ったら四国も言わなきゃならないだろうな。ま、そして東北(東北勢大拍手)、この際だから名古屋も、北陸も、特に新潟あたりで盛り上がってました。ここまで言ったら、あとは佐渡島と淡路島と沖縄じゃないかとねえ、だんだんこうなってきた。
 最初の頃は、北海道でさえ知られてなかった。「松山千春?たぶん女だろう、(笑い)なんて思われてね。多かったなあ、そういう間違い。寂しかったよ、俺も。札幌へ出てくべ、飲み屋に行くべ、酒飲んでると、有線なんかで俺の曲がかかってくるべ。あっちで飲んでる人なんかが、「おっ、この歌知ってんだよ、これ、松山千春って奴が歌ってんだ。アイツたぶんきれいだろーなあ」(爆笑)なんて言ってよ、「これだけいい声してたら、絶対きれいだよ、北海道出身だって言うしね。モノにしちゃおうかな」(爆笑)バカな事言うなってんだよ。俺、そばで飲んでてな、尻がかゆくたってきたよ。(爆笑)そういう思い出はいっぱいあるんだよな。みんなもね、最初聞いて「こりゃ、完璧女だろ」ってレコード屋に行って、「女性フォークコーナー」なんてとこ探してね、意外にあったりするんだよね。(「あった」の声)ジャケットに顔写真のってなかったからな。そうやってコンサートがだんだん増えてきて、ここまで来たけど、そんで、しまいには、マ・コ・マ・ナ・イですって。(拍手)人間一人だと何もできないかもしれないけど、これだけ集まると何かできるんじゃないか、もっともっと、こんな輪を広げたいと思っています。それじゃあ、昔、昔といってもそんな昔じゃないけど、私芸能生活20年、30年って、そんな感じじゃないからね。(笑い)コンサートで一番初めに歌ったのかな。

 19:38 「君のために作った歌」
 
 歌の途中、ステージ右上空に、ス―――と流れ星がはっきり流れる。「あ―」と言う、どよめきのあと、歓声と拍手が湧き起こる。

 そんな風にコンサートがだんだんできるようになってきて、全国回って、バカみたいな事言ったり、いろいろツッパッたりしてやってきたけど、ほんと、ここまでついてきてくれた。しまいには、こんな所までついてきてくれたみんなに、本当にとっても感謝してるし、何もしてあげられないけど、歌うことぐらいだね。(笑い)だから、俺は俺なりに力一杯、これからも歌っていきたいと思います。(拍手)
 昔ね、俺、よくこんな事言ってたでしょう。「愛を歌って二十二年」とかね。(笑い)早いもんで、もう二十三です。この後が恐ろしくてな、私、二十代終わりまででやめようと思うんだ、このフレーズ。「愛を歌って三十年」になると、ちょっと寂しくなるもんな。
 それじゃ、愛を歌って二十三年、誕生日は12月16日(笑い)

 19:44 「私を見つめて」
 ステージ左の客席の上に、雨上がりの三日月がポッカリ。曲の途中からバッキング・ミュージシャンが登場し、歌い上げた千春は演奏の流れる中をそのまま退場。

 第1部と同じく、7人のバックがついたステージ、サングラスをはずし、白の上下に衣装を替えた千春、再登場。
 
19:53 「銀の雨」
 どうもありがとう。意外にサングラスをとると、だらしなかったりするわけでありますが、後ろの方までちゃんと見えるか?(「見える~」と客席から合唱。千春、自分の衣装を指さして)この色、なんだかわかるか?それじゃあ、みんなのために歌うぞ。
 
 19:58 「君が好きさ」
 千春が手を振るたびに大歓声。全員手拍子。ペンライトを振るファンが目立つ。

 おまえらはほんとに偉い。だんだん盛り上がってきてるじゃないか。ほんじゃ―、もうイッパツいくぞ、よろしく。

 20:02 「青春Ⅱ」
 客席の手拍子がすごい。会場全体がどよめいている。千春の後ろのスポットが、赤、黄、青、緑と交互に点滅しているのがすごくきれいだ。
 
 やる気になってきたな。
 おい、後ろの方もまだ元気あるか。(大拍手)よーし、まだまだがんばるからな。しかしね、年とるとだめですよ。もーね、息が荒くなってきますから、寂しくなったりして。この間ちょっと聞かれたんだけど、「松山さん、何で歌ってんですか?」ってね、ま、俺はみんなに対して、メッセージというか、そんな形でずっと歌を歌っていきたいと思う。もし、みんなが、行き詰まった時とか、完璧にコケた時とかな、そんなとき俺の歌聞きたいと思ったら、その辺でチョロチョロ、コンサートやってると思うし、そん時聞いてもらったら、最高に幸せじゃないかな、そんな風に思ってます。(拍手)
 俺はここではっきりみんなに言っときます。歌で世の中変えようと、真剣に考え始めてきた。金で世の中を変えようとするバカがいるなら、歌で世の中変えようとするバカがいたっていいと思う。あんな奴らには絶対負けたくないし、みんなにも負けてほしくない。いつか、俺たちが思っているような、そんな社会が生まれることを絶対信じてます。(拍手)

 20:08 「夜明け」
 どうもありがとう。最初にもちょっと言ったけど、今のうちじゃなきゃ、若いうちじゃなきゃ、できないことって、いっぱいあると思うんだよね。どんどん挑戦してみたら?もうガタガタ言わないでさ、自分でこれだと思ったら、精一杯やってみたら。失敗したっていい、失敗したって。コケたって、まだまだおれたち若いし、俺も入るんだぞ。(笑い)失敗おそれてたら何にもできないしな。まだまだ臆病になる年でもないし、俺だってこのコンサート考えたとき、やばいかな、なんて思った。でもコケてもともとだしな、人と同じ事やっててもしょうがないし、自分でやりたいと思ったら、止めやれなくなったりしてな、いや、みんなには迷惑かけたけどな。ここまで来てもらって、(笑い)でもやりたいと思ったらな、しょうがないんだ俺。これからも、みんなもやっかいだろうと思うだろうけど、バカな男が一人はしゃいでいると思って、これからもずっと俺を見ていてほしいなと思う。(拍手)その代わり、ありがと・・・俺もその代わり、自分の気持ちを素直にこれからも歌っていきたい。みんなも幸せになってほしい。みんな若いし、これからいろいろなものに挑戦してもらいたい。俺、いやなんだよね、苦しんだり、悩んでるの。ほんとにみんな、がんばってください。

 20:15 「空を飛ぶ鳥のように 野を駈ける風のように」
 歌い始めてすぐ、千春の頭に銀の雨が降り注ぐ。歓声。曲の盛り上がりとともに、雨は吹雪になって吹き荒れる。

 ほんとにみんな、どうもありがとう。
 俺も精一杯応援するんで、みんなも行けるとこまでいってみて下さい。そのかわりな、セコくなるなよ、セコく。大きな人間になってもらいたい。ほんとにみんな、全部が幸せになれれば最高だし、全部が思いどうりに生きて行けたら最高だし、最高って言うよりも、それが当然だと思うんだよな。なまじっか、目がくらんでチョロチョロする奴とか、そういうバカが出てくるから、落ち込む人が出てきたりなんかしてな。みんな、そんな事気にしないで、思いっきり自由に生きてもらいたい。大きな、大きな人間になってもらいたい。俺も住んでるところは足寄ってチンケなとこだけど、もっともっとでかい男になろうと思ってます。ほんとに今日みんなありがとうね。おまえら最高だね。みんないい奴だ。(拍手)ほんと、おまえらマブイ。

 20:21 「生きがい」
 ステージの後方から、スモークが湧きあがり最後はステージ全体が白煙に包まれる。千春も見えない。その中で千春退場。会場は興奮の渦。アンコールの手拍子。「千春ありがとう」の大歓声。

 ありがとう、よかった。
 ほんと、みんな最後までありがとうね。やっぱり、このコンサートできたのも、みんながここまで俺に力を与えてくれたからだと思う。俺もそれに負けられないから、精一杯歌わせてもらいました。みんなに言ったように、足寄からホッと出てきて、北海道のみんなに応援してもらって、歌うことができて、そして全国のみんなに支えられてここまでこれて、本当にその中で、いろんな人に会ったし、いろんな人と別れたし、また明日誰かに会って、誰かと別れていくんじゃないかなと思うけど、明日からの俺を、また見て下さい。今夜、ほんとみんなのおかげで、これだけの事ができた。ありがとう。(拍手)

アンコール
 「季節の中で」
 サビの部分から客席総立ち。手拍子。歌の最中も、「千春、千春」の大声援が続く。

 本当にどうもありがとう。
 いろんな歌を歌ってきたし、いろんな事を言ってきた。俺、昔とそんなに変わってないと思うし、やってることも考えも、それほど変わっていない。できれば一生、このまま歌っていたいと思う。(拍手)そして、絶対忘れたくないのが、うちのスタッフみんなもそうだけど、みんなも忘れてほしくないのが、俺を支えてくれたのは・・・・・・ STVの竹田さんだってこと。(竹田健二氏。アマチュア時代の千春の素質を見抜き、レコード・デビューの道を開いてくれた。故人。)みんな絶対忘れないでくれ。(拍手)竹田さんが亡くなってから、もう、二年近くなるけど、人間って非常に寂しくて、二年もたつと忘れる人なんかいっぱいいてて・・・俺も忘れない。だからみんなも忘れないでほしい。やっぱり、みんなとの出会いもそうだし、竹田さんとの出会いもそうだし、これが俺のすべてのような気がする・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・

「旅立ち」
 泣き出す千春、ファンも泣いている。「ガンバレ、千春」の声に、伴奏のないまま「旅立ち」をゆっくり歌い始める千春。会場も一緒になって大合唱。千春が涙声で、とぎれた部分も2万人の大合唱がカバーしてしまう。
 歌い終わった後も、「千春、千春」の手拍子と声援は続いている。そして、最後、このコンサートのオープニング・ナンバーにつながっていく。

 「大空と大地の中で」
 みんなもがんばったな。
 命があるんだから、思いっきり生きて、生きて、生き抜いてくれ。

とかち新聞 昭和54年7月15日発行 864号より

オレが歌をやめるとき・・・
コンサートって言うのはハートで歌う。声がひっくり返ろうと構わないが、レコーディングの場合は、音楽として聞かせなければならないから、綺麗なものを作らなければならない。俺の歌を聞きたければレコードを聞けば
いい。何回も聞けるから。俺の感情を聞きたかったらコンサートに来ればいいと思う。オレが歌をやめるときはウソを歌う時。それと自分が新鮮味を感じなくなった時。これは歌ってる資格はないと思う。

みんなにも聞いてほしいんだけど、何かに自信を持って欲しい。これをやれば最高だ、みたいな物を持ってればいつでもケツまくって帰ればいい。

とかち新聞 昭和54年8月15日発行 865号より

ビックサマーシーン’79『大空』前半
オープニング、『大空と大地の中で』。
『アリガト!いらっしゃい。元気!(元気ぃ!)エライ!しかしよく来たな、こんなに集まってくれてありがとう。みんなのおかげでここまでもってきたけど、もうこうなったら雨が降ろうが槍が降ろうがやろうと思う。後ろの方達聞こえるか?(聞こえるぅ~)センキュー、今日は思いっきり歌うからよろしく!・・・』

2曲目の『浜辺』を歌い出したが、突然、電気系統のトラブルでアンプが切れ、証明が消えてしまったが、すぐ直り、『ゴメンネ、もう1回挑戦する』と、初めから歌いなおした。『時のいたずら』、『後ろの方、ハッキリ見えますよ。今日は綺麗な方が多い。希望的観測かもしれないけれど、君達みたいな綺麗な子のために・・・』『あたい』、続いて『君はそばに』、『足寄より』で、一部は終了。

二部はギターを抱えて、『父さん』、『オホーツクの海』。『僕の好きな風景』『卒業』『君のために作った歌』『全国をまわって、バカなことを言ったり、つっぱたりとかそんな感じでやってきたけど、ここまでついてきてくれた皆に何もしてあげられないけど、力いっぱいこれからも歌っていきたいと思います。オレこんな事言ってきたでしょう、愛を歌って22年、早いものでもう23年ですよ。私は20代の終わりで、このフレーズやめようと思う。愛を歌って30年ではチョット寂しくなるもんな』。『私を見つめて』。ここで二部終了。

この日会場に詰め掛けたファンは、2万3千人。大半が十代の女の子。夏休みとあって、道内はもとより、東京、名古屋をはじめ、九州などから2,3泊のツアーを組んで駆けつけたファンが2千人以上もいるなど、異常人気ぶりを見せつけた。

とかち新聞 昭和54年9月15日発行 866号より

ビックサマーシーン’79『大空』後半
三部は、再びバックが付き、『銀の雨』『君が好きさ』『青春Ⅱ』『オ~イ、後ろの方まだ元気あるか?(あーるの声)ヨーシ、まだまだ頑張るからな、しかし歳を取るとダメですよ、息が荒くなってきますよ。ねえ、寂しくなったりして。このあいだ聞かれたんだけど、松山千春は何故歌うんだって聞かれて、オレはみんなに対して、メッセージというか、そういう形で歌を歌っていきたいと思うし、もし皆が煮詰まったときとかな、ほんとにコケたときとかな、そんなとき俺の歌が聞きたいと思ったら聞いて欲しい。特に歌で世の中変えようと真剣に考えはじめてみた。

金で世の中変えようとするバカもいるから、歌で世の中変えようとするバカがいてもいいだろう、あいつらには絶対負けたくない。いつか絶対俺たちの持てるようなそんな社会が生まれる事を信じています。』『夜明け』
『空を飛ぶ鳥のように野を駈ける風のように』『生きがい』。

アンコール、『季節の中で』『皆もそうだけど、オレをここまで育ててくれたのは、STVの竹田さんだって事、これ絶対に忘れないでくれ。竹田さんが亡くなってから2年近くになるけど、人間って非常に寂しくて、
2年も経つと忘れる人なんかたくさん居て・・・』『旅立ち』『大空と大地の中で』

あとがき 2万5千人近くの大コンサートですが、ファンのマナーの良さに感心させられました。舞台と客席とが一体となった、爽やかな一時でした。

千春さんの初ライブは真駒内5万人野外コンサート
                             by 21世紀最初のフォークシンガー 東京都  03. 9. 15
高校3年生の時でした。一学期の終業式の日だったのですが親戚のところへと 担任の先生には嘘を言って、学校を休んで行きました(親には欠席届けの印鑑 をしっかりもらい承諾)。
北海道木古内駅に貼ってあったチケット付の安いツアーを利用して往復バスで。 会場はすごい人だったと記憶してます。まるでお祭のような感じでした。座席は 青い?シートだったと思います。アルファベットと番号だったかな?真ん中より 後ろの方だったと思います。
米粒ぐらいにしか見えない千春さんでしたが物凄く感動しましたね。オープニング、 千春さんの弾き語り、黄色ぽい衣装を変えて登場、「人生はゲーム」等のメッセー ジ、アンコール、そしてアンコールのアンコールで最後に歌った『夢の旅人』。
ガンガンに泣いたこと思い出します。涙・涙の感動でしたね。アンコールのアン コールが終わり、自分の座席よりも前の方に、ステージの方へ走って行った。 そしてもうそのステージには現れことはないのに喉が枯れる程泣きながら大声で 「千春!千春って」叫んだ。

フリー・コラム~千春さんを語ろう!より転載

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